出資金と資本金の違いを分かりやすく説明すると…
出資金と資本金、どちらも事業の際にはなくてはならない、必ず聞く言葉です。これらは、似ているようで意味合いはまったく違います。でも、出資金と資本金の大きな違いって詳しくは分かりませんよね?
違いをわかりやすく説明しろと言われても、難しい言葉ばかりで理解することも一苦労です。
そこで今回は『出資金と資本金の違いを分かりやすく説明してみました!』
出資金とは
出資金とは一般的に、事業のためにしようされる、「出資者が提供した」資金のことを指します。
また、企業会計において、株式会社以外の会社や合名会社、合資会社、信用金庫、信用組合、その他民法上の法人等の持ち分を処理するための勘定科目のことを指します。
例として、取引をする信用金庫などへの出資、地元や商工会議所などへの出資が挙げられます。
一般的に出資金は、賃借対照表上「出資その他資産」として計上されます。税法上において有価証券として取り扱われるので、実務面で出資金という科目ではなく、投資有価証券として処理されることもあります。
ただし、関係会社に対する出資金については、ほかの出資金とは区別して表示することが要請されます。
また、株式会社の設立において、銀行でお金を振り込んで振込証明書を作成する際に「出資金」という言葉を使いますが、これについては一般的な意味合いでの使われ方です。仕訳上では「資本金」に振り替えられます。
資本金とは
資本金とは、会社が事業をスタートする際に自分で持っている運転資金のことを指します。言うなれば会社の体力です。そのため、資本金が多ければ会社の初期段階における資金繰りが楽になります。
また、資本金が多ければ銀行の融資なども受けずに済む場合もありますが。設立時に資本金が1,000万円以上だった場合、その設立初年度から消費税の課税対象になります。しかし1,000万円未満だった場合、消費税は2年間免除されます。
融資を受けたい場合、資本金がおおよそ300万円ほどあると会社設立時に有利に働きます。金融機関からお金を借りることを考えているのであれば、資本金は1,000万円未満でなおかつ、銀行からの融資を受けるにふさわしいほどの金額は用意しておく必要があります。
しかし、登録型の労働者派遣業や一般労働者派遣業の許可を会社設立時に取得しようと考えている場合、資本金は1,000万円必要になります。
会社を設立した後、そういった許可が必要になった場合、設立時に1,000万円未満で資本金が足りない、となると後から余計な資金が掛かってしまいますので、注意しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
出資金と資本金、それぞれの特徴をまとめてみました。それを踏まえて資本金と出資金では何が違うのか?ということろですが、簡単に言えば、出資金は、会社に出資をした人から見た名称のことを指しています。また、その出資者からの出資金を受け取った会社から見た名称は資本金になります。
名前は違えど、意味合いは同じになるようです。
また、出資金の本来の目的としては、会社への債権の担保です。株式会社などは有限会社ですので、会社のトップが取引先などに「うちの会社はちゃんと支払い能力があります」という意味を持たせるために資本金を持ちます。
対して出資金は、会社設立の際に資金として渡す代わりに、会社からは株式を与えられます。出資金の一部を資本金として活用する、ということです。
ちなみに、資本金として受け取っておかなかったお金は、会社設立時の資金として「資本準備金」と呼ばれます。このように、複雑ですが、それぞれの資金の目的と使用方法で呼び方は変わってきますから、しっかりと理解しておきましょう。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。少しでもあなたのお役に立てたのなら嬉しいです。