ランニング中に左右の横っ腹が痛くなる原因とは?簡単に改善する方法
健康やダイエットのために始めたランニング。ストレッチもして準備運動はちゃんとしたはずなのに~!ランニングを始めてしばらくすると左右どちらともなく始まる痛み。いわゆる「横っ腹が痛い!」でも、ご飯なんて随分前に食べたし、原因はそれじゃなさそう?
ランニングの経験が少しでもある人なら誰しも経験がある左右のお腹の痛み。約7割のランナーたちが「少なくとも年に一回は横っ腹が痛くなる」のを経験しています。
イテテテと横っ腹を抑えながら走っていると、「ほらー、食べたあとにすぐ走るからー!」「もっと走ると痛みが消えるから!」といった本当なのかそうでないのかわからない謎アドバイス、みなさんも受けたことありますよね。
英語であの痛みはサイドスティッチと呼ばれ、調査をしてみたところ、ランニング中に左右の腹が痛くなるというのは人種の壁を超えてあるみたい。
娘の運動会で走る父兄の100メートル競争だろうが、ハーフマラソンだろうが横っ腹は痛い!痛みは世界共通だった!
今回は、『ランニング中に左右の横っ腹が痛くなる原因と、改善方法』について調べてみました。
良かったら参考にしてみて下さい。
横っ腹が痛くなるのはランニングだけ?左右どっちも痛くなる?
でも、この痛み、ランニング中だけに起こるのでしょうか?リサーチをしていくうちに、これはラン中だけではなく、水泳の最中や、乗馬などをしている人にも起こるということがわかりました。この痛みは「衝撃がある運動」を行っている時に起こることが多いということです。
ランニング中だけに限定して言えば、緊張していたり、呼吸が上手にできていない、ラン中の姿勢が悪い、スタート直後のスピードの出しすぎ、腹筋の筋肉が弱い、食事の直後でお腹いっぱいの状態でランニングをしていたりといったようなことも、横っ腹が痛い原因につながる可能性があります。
原因に関しては「食べた直後に走ったから」、「ランの最中は身体が酸素を大量に、しかも急激に求めてくるから」「走ることによってお腹の中の圧が急激に上昇するから」「腸内のガスが他の場所へ移動するから」等、諸説あるようで、これが原因!というものはないようですが、すこしその諸説を見てみましょう。
人によって痛くなる場所は右だったり左だったりするようですが、とくに左の脇腹がランニング中に痛くなる人が多いみたいですね。筆者も左側がよく痛くなるタイプ。でも、左側って何がある?
注目したいのが左側にある脾臓(ひぞう)という臓器が関係しているとの説。脾臓(ひぞう)は助骨の下の方に隠れている長さ12センチほどのさほど大きくない臓器です。
脾臓は免疫系の一部として血液をフィルターする役割を担っています。この臓器は古い赤血球を破壊し、血小板や赤血球を溜めておく機能もあるわけですが、酸素を更に必要とする時はここから血液が身体に出されます。
運動しているときはこの機能がより活発になるため、痛みが感じられるという説です。
右の脇腹も痛いけど?という人もいますよね。これは横隔膜と肝臓が関係している説があります。
走っている最中に内蔵、特に肝臓が受ける「揺さぶられる衝撃」と、肝臓を支えている靭帯が引っ張られて痛みが生じ、さらにこれと吸って吐いてという呼吸の際の「横隔膜が受ける衝撃」が全て折り重なり、結果として横隔膜が引っ張られ、「右腹の痛み」として現れるというものです。
この横っ腹の痛み、専門用語であるのかな?とふと疑問に思い探してみても、あまり文献が出てこないんですよね。英語だとexercise related transient abdominal pain。略してETAP「運動に伴う一過性の腹痛」とありました。日本語の疫学的正式名称はないようです。
痛くなるのは横っ腹だけ?見逃さない!危険信号
ランニング中の横っ腹の痛みはほとんどの場合は人体無害なものなのですが、痛いですよね。痛みが酷すぎてせっかくエントリーして、トレーニングを重ねてきたマラソンを途中で棄権した、なんて実に悔しいです。
ですが、この痛み、他の部分に広がったり、どうしても我慢できないような痛みだったら、専門家に診てもらう必要がある場合もあるので、いつもと違う脇腹の痛みがあなたを襲ったらランニングを一旦ストップして、左右脇腹の痛みがいつもとどこがどう違うのか観察してください。
例えば、ランの最中にお腹が痛くなってでもその痛みが数分で消えない場合、虫垂炎を疑う必要がある場合もあります。虫垂炎の初期症状はお腹の上の方から始まって、だんだんお腹の右下へと痛みは移動します。
他には脇腹の痛みがだんだん肩の方へと大幅に広がっていった場合。これはランニング中に起こる単なる横っ腹の痛みではなく、軽い心臓発作を起こしている可能性もあります。
あなたの身体はあなたがよく知っています。いつもと違うなと思ったら放置しないで、医療機関へ相談を。
ランニングを始める前に気をつけたいこと
ランニング中の横っ腹の痛みを軽減する策として、いくつかできることがあるのですが、まずは簡単におぼえられて、今日からすぐに取り掛かれる実践しやすい方法からご紹介します。
朝走るときには、軽めの朝食を取りましょう。低脂肪、低繊維質の食事を心がけるとベター。もしくは、朝食は走る2-3時間前に済ませるようにしましょう。
でも、ランニングのレースや大会などでどうしてもエネルギー補給を、というときはバナナなど「エネルギーアップのためのちょっとした軽食」を食べるようにしましょう。ガッツリは禁物です。
飲み物!前述の食べ物と同じです。走り始める2-3時間前に飲み物のがぶ飲みは控えましょう。ですが!走っている最中に飲み物を取らないのもお腹が痛くなったり、更には脱水症状を起こしてしまい非常に危険。
ランの最中は水やスポーツドリンク等で水分補給を忘れないようにしましょう。
準備体操。これは基本中の基本ですよね。体の筋肉や膝や足首などといった関節を守る意味でもウォームアップは絶対に欠かせません。筋肉をランニングに向けて準備する以外でも、準備体操をして呼吸を意識して整えることも「横っ腹痛い!」を防ぐためにはマストです。
ランニングを始めるときのスピードは、ゆっくり目から徐々にスピードを上げていきましょう。横っ腹が痛いのはあなたの身体に負担がかかりすぎて身体が「痛み」というシグナルを出している状態です。
筋トレも欠かせません。ランニングしてすこし引き締まったところで筋トレ、なんて言ってないで、筋トレも同時進行!一日たったの5分のトレーニングで斜筋(お腹周りの筋肉)鍛えられます。
これで内蔵はゆっさゆっさ動かない=お腹が痛くならない!斜筋を鍛えることによってラン中の痛みも軽減されます。有酸素運動プラス筋トレで痛みを大幅ダウン!
それでも痛くなってしまった時の対策法!
ウォームアップもしたし、呼吸も意識して整えたし、筋トレもやったし、準備は万端。ランニング開始!とまでは良かったものの、走り始めたら、あれ?またしてもお腹イタイんですけど…?突然痛みが襲ってきたら、こんな対処の方法もしかたもありますよ。
まずは呼吸。ゆっくりしたスピードで始めたランニング、徐々に速度を上げて走りますよね。そうすると身体はスピードに比例して酸素を要求するので、乱れた浅い呼吸はNG。リズミカルな大きい深い呼吸を意識して走りましょう。
準備体操でやったストレッチ。ランニングの最中にこれを行っても効果アリ。ラジオ体操みたいなキッチリとしたストレッチ運動ではなく、スピードを落として歩きながらでもできるシンプルなストレッチ運動をやってみましょう。
やり方としては、上(空の方)へ両腕を思い切り伸ばすのと同時に、ゆっくりと深めに息を吸います。両腕をおろしながらゆっくりと息を吐き出します。横隔膜の緊張をほぐし、横っ腹の痛みを軽減します。これならランニング中にも出来そうですね。
上記の「天に向かって大きくストレッチ」、の他にもまだありますよ!痛い部分を指でピンポイントマッサージ。大きくゆっくり深呼吸しながら行うのがコツ。これで脇腹の痛みが軽くなるスピードがアップするはず。
その他には「ランを一旦ストップして歩く」のも一つの手です。歩くのが嫌なら走るスピードを落としても。ストップしたついでに手を上に大きく伸ばし、大きく息を吸いましょう。
息を吐くのと同時に上半身を前に倒しながら腕をダラっとさせます。痛みが軽減したらまたゆっくりとしたスピードで走り始め、徐々に自分に合ったスピードへと上げて行くとグッド。
お伝えした予防策と実際に痛みが起こってしまったときの対策を覚えてしまえば、ランニング中のあの不快な痛みも乗り越えられますよね。
ダイエット、健康づくりのためにと、ランニングは今人気のエクササイズですが、対策をしっかりとって、楽しいランニングライフを送りましょう。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。少しでもあなたのお役に立てたのなら嬉しいです。